予防接種の気になること
乳幼児期はまだ抵抗力が弱く、感染症にかかると重症化するだけでなく、命にかかわるようなこともあります。
これを防ぐためには、予防接種が欠かせません。
予防接種には、予防接種法という法律によって接種が推奨される定期接種、自分の意志で受けるかどうか決められる任意接種があり、一部地域を除くと定期接種は無料で受けられます。
逆に任意接種は自費で受けますが、自治体によっては助成がある場合もあります。
万一、重い副反応が起きた時、定期接種は国から補償されますが、任意接種は独立行政法人医薬品医療機器総合機構が補償し、定期接種より補償額が下がります。
ですが、任意接種だからと言って受ける必要が低いわけではなく、諸外国ではほとんどのワクチンが定期接種となっていて、国内でも定期接種化すべきではないかと議論されているのです。
ワクチンの種類
予防接種に使用されるワクチンにも種類があります。
生ワクチンは、その病気に軽くかかった状態にすることで免疫をつけるためのもので、生きた病原菌の毒素を弱めています。
BCG、ロタウイルス、麻疹・風疹などがこれにあたり、接種後は次のワクチン接種まで27日間以上あけることが必要です。
不活化ワクチンは、免疫成分だけを取り出すために病原体を殺しています。
ポリオ、日本脳炎、百日咳はこの不活化ワクチンです。
トキソイドは、毒性を消すために細菌が作る毒性を取り出したワクチンで、破傷風ワクチンはトキソイドです。
不活化ワクチンもトキソイドも、何度か接種することで免疫がつくワクチンです。
接種後6日以上あけることで、他のワクチンを受けられます。
予防接種を受ける時の注意点
せっかく予防接種を受けても下痢だとポリオは免疫がつきません。
このように、体調が悪いとせっかく予防接種を受けても意味がないことがあるので、体調のよい時に受けるようにします。
風邪のひき始めなどのように、いつもと違う様子が少しでもあれば、無理して予防接種を受けずに体調が良くなるまで待ったほうが良いです。
予防接種を受ける時には、接種記録を記入します。
これは母子健康手帳に記入するため、忘れずに持って行きましょう。
集団接種では会場でエアコンが効いていて暑かったり寒かったりします。
ベストやカーディガンなど、簡単に着脱できるようにし、腕がすぐ出せるように考えた服装にしましょう。
また、待ち時間が長くなることもあるので、飲み物を用意したり、お気に入りのおもちゃなどを用意したりすると良いです。
特に集団接種では、スタッフも多く他の赤ちゃんやお母さん達も来ていて、人見知りな子でなくても驚いてしまいがちです。
安心させてあげるため、抱っこをしっかりしてやさしく声かけするようにします。
なお、予防接種の順番やスケジュールに迷ってしまう時は、かかりつけの小児科医に相談するのが一番です。